最近も続報が出てきている東京ミネルヴァ事件ですが、依頼者さんに返すべきお金がなんと4億円近くもあるようです。
しかし、これが返金されない、業務が行われないという非常に依頼者さんにとって不利益な状況が発生しています。
別の弁護士に依頼しようにも、二重でお金がかかってしまい、説明も再度行う必要があるなど、依頼者さんの負担は計り知れません。
そこで今回は今後依頼者さんのお金(着手金や過払金)が返金されないのかについて考えたいと思います。
ただし、かなり難しい問題ではあると思いますので、できる限り噛み砕いてお話をしていきます。
今東京ミネルヴァに依頼されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
1 破産となった場合の弁護士費用の扱い
まず、東京ミネルヴァ法律事務所が保有していた預かり金と弁護士費用は、今回の破産により債務不履行解除となり、依頼者さんに返金すべき債務になっていると考えられます。
となると東京ミネルヴァ法律事務所の管財人である弁護士が財産をかき集めて、依頼者に平等に返金する必要があります。
ここで、皆さんに知っていただきたいのは、破産になった場合の債権者は、皆平等ということです。
これを「債権者平等の原則」といいます。
2 管財人が行う業務=否認権行使とは?
では、次に管財人は、どのようにして財産をかき集めることになるでしょうか。
この点で、管財人が行使できる権限は「否認権」であると考えます。
破産法はこのように規定しています。
- 破産法 第160条第1項第1号
次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 - ① 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。ただし,これによって利益を受けた者が,その行為の当時,破産債権者を害する事実を知らなかったときは,この限りでない。
つまり、否認とは、今回の件でいうと破産者(東京ミネルヴァ)が破産債権者(依頼者さん)を害することを知ってした行為について、相手(リーガルビジョン等)に返金を求めることができるということです。
そして、相手(リーガルビジョン等)が破産債権者(依頼者さん)を害する事実を知っていたかどうかがポイントになります。
記事の報道をみていると、破産者(東京ミネルヴァ)が過払金に手をつけ、自転車操業をしていたことを実質的な支配者であった相手(リーガルビジョン等)は当然に認識していたと思われます。
そうなると否認権行使が成立するのではないかと考えています。
3 返金される可能性
今回の記事報道によれば、東京ミネルヴァからリーガルビジョン等に渡った金額は億を優に超えていることが想像できます。
したがって、管財人が、リーガルビジョン等に否認権を行使し、急ぎ回収に向かうことは明白であると考えています。
その際、今度はリーガルビジョン等が立ち行かなくなる可能性があり、彼らが破産してしまう可能性すらありうるものと考えられます。
最終的に、(リーガルビジョンが破産しない限り)お金が戻る可能性は高いと私は考えています。
金額としては、債権者平等の原則があることから全額返金されるかは未定ですね。
4 まとめ
ミネルヴァ法律事務所が破産!【その闇と影響はでかい】 ミネルヴァ法律事務所の破産申立を第一東京弁護士会が行ったワケ【債権者申立の謎】今回は非常に簡単に依頼者さんのお金が返金されるのかについて考えてみました。
可能性としては高いが、全額返金されるかは微妙なところというのが結論です。
実はリーガルビジョンが破産するという可能性が含まれており、その場合には、いくら刑事事件にしたところで、お金が返ってこないというパターンも想定されます。
また別の問題として、依頼者さんの債務整理が進まず、依頼者さんが金銭的に困窮する可能性もあります。
(その意味で弁護士会の責任が重いことから、弁護士会自ら破産申し立てをしたのだと推測しています。)
その点も踏まえると急ぎ依頼者さんは新たな弁護士を見つけるなどの対応をとる必要があると感じています。
もし、「見つからない!」という場合は、弁護士ビーノまでご連絡ください。
任意整理について再度学びたいという方はこちらの記事をご覧ください。
【有料級】借金から合法的に逃れる?債務整理について簡単解説!この件はまた別の記事や動画でも説明していきたいと思っています。
これまでの記事については、上でアップしたものもありますので、ぜひそちらもご覧になってください。
今回の件の新たな見方が発見できると思います。