【速報】弁護士が考える結婚式場キャンセル料への対応と交渉・法的解説

結婚式場キャンセル 弁護士 解説

今日のニュースで以下のような記事がアップされていました。

参考 結婚式キャンセル料問題化ニュース記事

 

新型コロナウイルスの影響で,結婚式場のキャンセル料が問題になっているようです。

しかし,結婚式場のキャンセル料に関して,弁護士が解説した記事はまだほとんどアップされていませんでした。

弁護士ビーノ

「これは由々しき問題!」

そこで今回は,ニュースが発信されてから弁護士びーのが調査した結婚式場のキャンセル料に関する法的問題の解説とその先の交渉や対応について考えたことをお話したいと思います。

この記事を読めば,今結婚式場のキャンセル料で悩んでいる方は,少しでも結婚式場との対応で武器になる知識が蓄えられればと思います。

すでに,キャンセル料を請求されている方も,結婚式場からの請求について,適切な反論ができる可能性があります。

皆さんの一助になれば嬉しいです。

ぜひ皆さん最後までご覧ください!

解説者
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なお,今回の記事については,調査が進み次第,アップデートを重ねる予定です。

記事が変更されることもございますので,ご了承ください。

1 キャンセル料について結婚式場との契約書をチェック

さて結婚式場のキャンセル料については,必ず結婚式場の予約をする際に記入した申込書や契約書を確認する必要があります。

この点については,結婚式場のキャンセル料でお悩みの皆さんの申込書や契約書を見せていただきたいです。

そして1点だけ注意してほしい点があります。

それは適用される法律の問題です。

(1)今年の4月1日以前に申し込みや契約をした場合

この場合は,旧民法の適用の問題になります。

(2)今年の4月1日以降に申し込みや契約をした場合

この場合は,新民法の適用の問題になります。

つまり4月1日を基準に適用される民法が異なる可能性があります。

今回に関しては,4月1日以降に申し込みや契約をした場合は,もしかしたら少ないのではないかと思っています。

そこで,本記事においては,旧民法を基準に検討します。

もっとも,消費者契約法の問題も絡んでくるので,大きな問題にはならないと考えています。

(3)キャンセル料規定の有効性

① 無効であると判示した判例も存在する。

これについては,東京地方裁判所の平成17年9月9日判決が参考になります。

  • 結婚式及び披露宴において提供される役務の内容とその対価が確定していなくても、特定の日時及び会場において結婚式という儀式と披露宴を開催するという役務を提供することが確定していれば、結婚式場利用契約は成立する。

  • 結婚式場利用契約に付された予約取消料条項が、挙式予定日の1年以上前になされた予約取消しとの関係において、平均的な損害として具体的な金銭を見積もることができないことを理由に、無効であると認められた事例

② 消費者契約法について

消費者契約法の第9条は,損害賠償の予定(本件ではキャンセル料を指します)について以下の通り定めています。

(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
(消費者契約法から引用)
つまり,今回の結婚式場のキャンセル料に当てはめて考えると,キャンセルにより生じる結婚式場の「平均的な損害を超える」部分については,無効になるということです。
消費者契約法の第9条は,あまりに不当なキャンセル料の金額を無効にして,消費者を保護するための規定なのです。

③ 判例での事案

判例の事案

控訴人は、平成16年5月8日、結婚式場及び結婚披露宴会場の運営を行っている被控訴人に対し、平成17年5月28日に結婚式及び結婚披露宴を行うと申し込み、予約金として金10万円を支払ったが、その6日後の平成16年5月14日、上記申込みを撤回して、予約金の返還を求めた。しかし、被控訴人は、契約中の取消料条項に基づいて、これを拒んだ。

判例では,約1年後のキャンセル料が問題になっています。
そして判例は以下の通り判示してキャンセル料の規定が無効であると認めました。
  • 挙式予定日の1年以上前から被控訴人店舗での挙式等を予定する者は予約全体の2割にも満たないのであるから、被控訴人においても、予約日から1年以上先の日に挙式等が行われることによって利益が見込まれることは、確率としては相当少ない

  • その意味で通常は予定し難いことといわざるを得ないし、仮にこの時点で予約が解除されたとしても、その後1年以上の間に新たな予約が入ることも十分期待し得る時期にあることも考え合わせると、その後新たな予約が入らないことにより、被控訴人が結果的に当初の予定どおりに挙式等が行われたならば得られたであろう利益を喪失する可能性が絶無ではない

  • しかし,そのような事態はこの時期に平均的なものとして想定し得るものとは認め難いから、当該利益の喪失は法9条1号にいう平均的な損害に当たるとは認められない。

ここで,結婚式場に対する反論が一つ産まれたことになります。
  • 1年以上先の契約である場合に,キャンセル料が設定されている場合は,無効であるという主張ができる。

皆さんも,もし1年以上先の挙式である場合,結婚式場の予約をする際に記入した申込書や契約書を確認して,キャンセル料が記載されていても無効だ!と言える可能性があります。

④ 基本的にはキャンセル料の定めは有効

大阪高等裁判所の平成27年1月29日判決においては,

「Yが消費者との間で挙式披露宴実施契約を締結する際に現に使用し又は今後使用するおそれのある、同契約の解除時に消費者が負担する金銭(キャンセル料)に関する条項は一部無効であるとして、同条項を内容とする意思表示の差止め及び同条項が記載された契約書用紙の破棄等を求めた件につき、請求をいずれも棄却した原判決に対する控訴が棄却され」ています。

したがって,基本的にはキャンセル料自体は有効な規定であると考えていいでしょう。

2 結婚式場へのキャンセル料に関する対応と交渉方法

(1)そもそもこちらからキャンセルすべきか

契約書や申込書の内容にもよりますが,大抵こちらからキャンセルすると不利に扱われる定めが多いと思っています。

そこで,結婚式場から連絡が来るのを待つというのも一手です。

その際は,「どのように処理されるのでしょうか?」と確認すべきです。

何ら結婚式場から連絡がない場合,私がアドバイスするのであれば,キャンセル前に一旦交渉をしかけるようにお伝えします。

結局話し合いをしないとキャンセル料が増加していくという不利益が皆さんに降りかかるためです。

交渉に際しては,①日程の変更が可能か②日程の変更が可能として費用がかかるのか③延期のための費用については,誰が負担すべきか(お手紙の送り直しがありうるため)という点などをチェックすることになると思います。

(2)キャンセル料を請求された場合

ここで反論ができないかを検討してみました。

ポイントになるのは,「危険負担」(民法536条1項)の定めです。

(債務者の危険負担等)
第五百三十六条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
(新民法より引用)

今回の新型コロナウイルスの件では,明らかに結婚式場・挙式する側のいずれにも責任にすることができない場合です。

したがって,新型コロナウイルスにより,結婚式場が場所を提供できなくなったことが理由であるとして,その反対債務であるキャンセル料金の支払いを拒むというのが今回二つ目の反論方法です。

  • 今回は止むを得ない事情で,結婚式場が使えないのだから,危険負担の規定により,キャンセル料を払わなくていいという主張ができる。

(3)キャンセル料金がそもそも正しいのか

念の為ですが,キャンセル料が誤って請求されている場合もあります。

キャンセル料を過大に請求されてしまう場合も考えられることから,必ずキャンセル料の請求根拠を結婚式場には提示してもらうようにしましょう。

3 キャンセル料について交渉してもまとまらない場合

ここでは,訴訟にまでいたることを想定して検討をしたいと思います。

まず,キャンセル料の定めは,有効であるため,これを争うことは難しそうです。

もっとも,上記の通り,危険負担の主張はある程度合理的であると考えられます。

また,新型コロナウイルスという誰も想定できない不測の事態について,当然にキャンセル料を請求していいのかという価値判断が問題となります。

そして,キャンセル料自体は,数十万円程度であると考えられるため,結婚式場としてもキャンセル料の請求が相次いだ場合には,少額の訴訟に対して弁護士を立てて対応するというやや面倒な状況に置かれます。

さらに,結婚式場側は,「新型コロナウイルスが蔓延していたのに,キャンセル料を請求するのか?」という声に晒されることも覚悟しなければなりません。

その意味でいうと,交渉すればまとまりやすい案件であり,訴訟でも勝訴する可能性は十分あるのではないかと思っています。

なお,この点については,今後事例が蓄積した際に,再度アップしたいと思います。

4 キャンセル料のまとめ

皆さんいかがだったでしょうか。

民法の改正も絡む難しい問題だったかもしれません。

しかし,キャンセル料も安い金額ではありません。

皆さんが不利益を被らないよう,品川区の弁護士ビーノがいつでもメール・LINE・Twitterで対応しますので,お気軽にご相談ください。

では今回の記事のまとめを記載しておきますので,ぜひ参考にしてください。

今回のまとめ
  1. 1年以上先の挙式である場合に,キャンセル料が設定されている場合は,無効であるという主張ができる。
  2. 今回は止むを得ない事情で,結婚式場が使えないのだから,危険負担の規定により,キャンセル料を払わなくていいという主張ができる。
  3. 交渉すればまとまりやすい案件であり,訴訟でも勝訴する可能性は十分ある
  4. 困った際は,早めに弁護士びーのにご相談

これからも皆さんにとってためになる記事をアップしますので,ぜひぜひ楽しんでみてください。

では,次回の記事でまたお会いしましょう〜

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